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○割しか知らない事④パターの転がり

「ゴルファーの○割しかしらないこと」第4弾は、パターのお話です。


よくゴルフ誌で「パターは順回転で転がそう」というようなレッスンを見かけますが、私はそれを見るたびに、何か腑に落ちない違和感を感じます。

順回転で打って、ライン上を「球がポンポン跳ねたりせずにスムースに転がす」
そのために、「球の上半分をヒットしましょう」とか、「ハンドファーストでヒットしてロフトを殺しましょう」とか、「こすり上げるように打ちましょう」
という記述を読むと、

①そもそも順回転でヒットする方が良いのか?
②物理的に、「順回転のかかる打ち方」というのは有るのか?
という疑問を感じます。

①の「順回転は良い」という理論に欠けていると思うのは、球は沈んでいるという大前提を無視しているということです。
つまり、板の上でもなく、氷の上でもない、芝の上にある球はその自らの重みによって数ミリ沈んでいるのです。

ですからパターの打面には約3度のロフトがつけてあります。
そのロフトのおかげで、沈んでいる球は、ヒットした瞬間にまず空中に飛びます(ショートパットで数センチ、ロングパットで数十センチ後に着地します)、空中にある状態の球は、コンマ何ミリかは逆回転がかかっています。
そして落下した球は地面との摩擦によって次第に順回転となっていきます。
これが一番スムースな転がりを得るメカニズムです。

そのためには普通に打つのが理想です。つまり、パターの芯で打つ(わざとトップ気味で打たない)、振り子の最下点で打つ(わざとこすり上げたり、打ち込んだりしない)の2点です。


②の、物理的に「順回転のかかる打ち方」というのは有るのか?
トップ気味に打ったとしても、ロフトのある打面で打つことには変わらないので順回転はかかりません。
唯一あるとしたら、マイナスロフトの打面のパターで打つ手段ですが、前述したとおり、球は沈んでいるのでそんなパターで打たれた球はヒットした瞬間さらに地面に沈み込み、その反動でポンポン跳ねながら転がって行きます(実は昔、持ってました(#^.^#)

結論は普通に打つことですが、あえていうならアッパー気味に打つ人はロフトが少な目(1~2度)、ダウンブロー気味に打つ人はロフトが多め(3~4度)を使用すればインパクト時のロフトが理想の3度弱でヒット出来ます。
ちなみに私はアッパー気味のタイプなので、ロフトが1度のパターを使っています。(もうこれ買って10年はたつな~)
田中ブログ18-1
ボビーグレース社/アメージンググレース



PS : ここから以下で書く内容は、まだ研究中で、公に書くには尚早なのですが一緒に考えて下さいね。

先ほど述べたように順回転は地面との摩擦によって発生します。
しかし、1m位のショートパットなら、まだ順回転がかかりきらないうちにカップに到達させる方法があるんじゃないか?ということです。
何故そんなことを考えるかと言うと、カップに到達した時に順回転が少しでも少ない方がカップインの確率が高い気がするのです。

例えばカップのど真ん中に強めに打つと、カップの向こうの淵に当たって入る場合と、カップを乗り越えて向こう側に外れる場合がありますよね。
そのカップの淵に当たった時に、球が順回転か逆回転ならどちらが入るかと言うと逆回転です。
同じことはカップの右淵や左淵に当たった時にカップを舐めて外れるかカップ内に落ちるかも同じ理屈で逆回転の方が入ります。

順回転の良いとされている理由は、「ライン上の微妙な凸凹に影響されずに直進していく」という事ですが、凹の親玉であるカップと言う名の凹には球は影響されて(つまり直進して乗り越えずに)入って頂戴は虫が良すぎると思うんですが、皆さんはどう思いますか?

パターの名手の青木功プロや橘田光弘プロは、下りのショートパットでもびっくりするくらい強くヒットし、カップの横を通過してしまっても30㎝先で急ブレーキがかかったように止まり、一緒の組の外人選手が目を白黒させたという逸話を読んだことがあります。
確かに青木プロはロフト多めのパターでダウンブローに打っているので順回転になりきるまでにカップに到達させることが出来るのかもしれません。誰よりも強く打ち、カップの向こう側の淵に当たった球が真上に跳ねてカップ内に落下するシーンは私も小さい頃テレビで見て目を白黒させていました。

もしかしたら「今日は舐めてばっかりで全然入らんかった」とお嘆きの貴兄はあまりにも綺麗な打ち方で順回転がかかりすぎてるのかもヨ!!



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